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落語にみちびかれる「両参り」

海の守護神「こんぴらさん」と、厄除・旅の安全祈願の「ゆがさん」。香川県の金刀比羅宮と、岡山県倉敷市の由加山。瀬戸内海をはさんで「ゆが・こんぴら両参り」で倍のおかげをいただこうと江戸時代から明治にかけて盛んにおこなわれたようです。

昭和63年の瀬戸大橋開通にともない再び「両参り」を復活させようと友好の記念樹がありました。

 その両参りをした人物のひとりとして、江戸時代の豪商 塩原太助さん(1743-1816年)がいました。彼は丸亀港にある江戸講中燈籠 通称「太助燈籠」に寄進しました。さらに由加山には大商人になったお礼にと老夫婦で登山し「玉垣」を奉納しています。お願いをするだけではなく、これまでの無事や加護に感謝するという行為に、彼の信仰心を深く見ることができます。

 太助は群馬県みなかみ町の貧しい農家の子として生まれます。少年時代は継母にいじめられ、愛馬アオと悲しい別れを告げて江戸に出て、本所深川で炭屋に奉公し、努力に努力を重ね大商人となった人物です。

 1878年に落語家 初代三遊亭圓朝(1839-1900年)が、彼の半生を落語「塩原多助一代記」として発表しました。このはなしは1885年に出版され12万部という大ベストセラーになったようです。1891年には明治天皇の前で口演したといわれています。また落語だけではなく歌舞伎(1892年歌舞伎座にて五代目尾上菊五郎主演)でも演じられ大評判になり、尋常小学校の修身の教科書にも登場します。後世 五代目古今亭志ん生(1890-1973年)や桂歌丸(1936-2018年)が人情噺として口演した他、映画(1912年牧野省三監督)になったり長編歌謡浪曲(1977年三波春夫作)で塩原太助という名を多くの人が知るきっかけになったのではないでしょうか。

 落語から身近な歴史につながることもありますね。琴平で落語会も開かれます。落語をきいて、あらたな歴史への扉を開いてみませんか?

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くろさん