7月12日例年より5日早くことひらでも梅雨が明けました。海の日の三連休もすぎいよいよ夏休みということで、この時期各地からことひらを目指す方も増えますが、厳しい暑さとなるため水分をこまめに取る、日陰などで直射日光を避けるなど熱中症などには十分に気をつけて頂ければと思います。
さてそのような中、現在韓国の釜山市では、ユネスコ(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)の第46回世界遺産委員会(48e session du Comité du patrimoine mondial)が開かれています。「世界遺産委員会」は、パリに本部を置く国際機関の国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が毎年この時期に開く世界遺産に関する議題について話し合うための委員会(世界遺産条約締約国は196か国)です。「顕著な普遍的価値を有する文化遺産および自然遺産の保護のための政府間委員会」という正式名の通り、世界遺産の登録を通して教育、科学、文化の発展と推進を目指すとともに「人の心の中に平和のとりでを築く」ことを通じて世界平和を実現することを憲章に定めています。
世界遺産の登録総数は1,248件(文化遺産:972件、自然遺産: 235件、複合遺産:41件)で、うち日本の登録数は26件で世界11位です。世界遺産委員会の究極のミッションは、前述の通り世界遺産の登録を通じて、教育・科学・文化の発展と世界平和の実現を目指すことですが、経済発展の果実とグローバル化の果実を通じて、国際観光客到着数が加速度的な成長を続けるなか、世界遺産への訪問とそこでの学びもゲストにとっての貴重な体験となっています。
今回の世界遺産委員会では、7月20日の本会議で「釜山宣言」が採択され。世界遺産政策のこれまでの5つの目標であった「5C」に、「協力(Collaboration)」を加え、「6C」を新たな指針として打ち出しました。これまでの5Cでは、世界遺産の「信頼性(Credibility)」、「保存(Conservation:遺産の保全)」、「人材育成(Capacity-building)」、「コミュニケーション(Communication:情報発信の強化)」、「コミュニティ(Community:地域社会の参加を促す)」が重要な政策目標とされてきましたが、これに新たに「国際協力」が加わりました。気候変動や武力紛争、AI=人工知能などグローバルに対応が必要な課題への対応に加え、グローバル化する観光に対する対応(品質・コンプライアンス、遺産保存、人材育成、コミュニケーション、コミュニティの関与)も重要な課題として再認識されたことになります。
世界遺産のミッションは、1,248件の登録された遺産のみが対象なのではなく、その背後にある世界中の無数の人類共通の遺産を対象となるものです。ことひらで観光の現場に関わる我々、そしてことひらを訪れるゲストにも、地域の文化・歴史・自然遺産を将来に伝えていくための継続的な努力が求められています。
なお、明日(7月25日)午前中の新規案件審査では、日本から推薦されている「飛鳥・藤原の宮都」の審議が予定されています。本件については、6月6日にユネスコの諮問機関であるICOMOS(イコモス:国際記念物遺跡会議)から、構成資産の範囲や保全手法などについて「適切で評価基準を満たしている」としてユネスコに対し「登録」勧告が出ています。
本遺産(候補)は、2016年以降ことひらと三麺献麺式を通じて友好都市提携のある奈良県桜井市の「山田寺跡(特別史跡)」を含む、明日香村、橿原市の19の遺跡が登録対象です。明日の発表が待ち遠しいですね。


